数々の名品を残した彫刻家イサムノグチ。家具デザインでは、コーヒーテーブルやサイクロンテーブルが有名である。独創性とデザイン美に惹かれ、ファンが多い。私も自宅でサイクロンテーブル、あかりを使用している。ネルソン、イームズといい50年以上前にデザインされたものだが、完成度が高い。以前、モダニカ東京で「たてもの探訪」の渡辺篤志さんにお会いして、お話した際に「モダンデザインは50年代に全て出来上がってしまったね」と、「これを超えるモダンデザインは、もうは出てこないよ」とおっしゃっていた。まさにその通りだと私も思う。そして「イサムノグチ アカリ エキシビジョン」を行う。ノグチの代表作と言えば「あかり」である。日本人の血を引く彼のアイデンティティーが詰まった、数々の作品を是非見に来て欲しい。そして使ってみて欲しい。暖かい「あかり」の光でイサムノグチの世界を感じてみては?
開催店舗
Mid-century MODERN:東京都港区南青山5-12-6 2F Tel;03-3794-3700
case study shop:千代田区丸の内1-5-1新丸ビル4F Tel;03-3240-1950
MODERNICA[名古屋ショールーム]:名古屋市中区栄3-18-1B1F Tel;052-243-1950
イサム・ノグチ(1904ロサンゼルス-1988ニューヨーク) 英文学者で詩人の野口米次郎と、作家レオニー・ギルモアとの間に生まれ、少年期は日本で育つ。渡米した後、彫刻家 を志し、アジア・ヨーロッパを旅して見聞を広めた。パリでは彫刻家ブランクーシの助手をつとめる。ニューヨークに居を定め、肖像彫刻、舞台美術をへて環境彫刻やランドスケープ・デザインにまで幅広い活動を開始する。戦後は日本でも陶器作品や、和紙を使った「あかり」のデザインなどを行う。また丹下健三、猪熊弦一郎、勅使原蒼風、北大路魯山人、岡本太郎など当時の前衛芸術家たちと交流して刺激を与えあう。その後、アメリカ国内外の各地で、彫刻、モニュメント、環境設計を続け、文字通り「地球を彫刻した男」と呼ばれる。1985年には、ニューヨークにイサム・ノグチ・ガーデン・ミュージアムを開館する。